歯ぐきから血が出る

先生、歯周病についてオアシス歯科のインスタグラムで分かりやすい画像作ってあげてましたね!

どうしても「歯周病って大した病気じゃない」とまだまだ思われがちなので、怖さを演出してみました。こんなフォントあったんですね。

そのフォント、水木しげる風情、ちょっと伝わりました。歯周病は骨が溶けるんですか??

そうなんです(ひゅ~ドロドロ~)。
鬼太郎もびっくりなくらい歯周病は実は怖いです。
どれだけ怖いのか?一緒に見ていきましょう。

歯周病の4大症状

1.血が出る

「プラーク(歯垢:しこう)」と呼ばれる磨き残しに歯周病原菌が住み着き、歯肉に炎症が起こります。(プラークの中には、1mgあたり1億個以上もの細菌が含まれます。)

2.骨が溶ける

時間をかけて、歯肉から歯槽骨(しそうこつ:歯を支えている骨)へ炎症が及び、骨が溶け始めます。

3.歯が揺れる

歯根周囲の骨吸収(こつきゅうしゅう:あごの骨がやせること)が進むと歯が動き始め、さまざまな障害が起こります。

4.歯が抜ける

歯根周囲の骨吸収が進み、骨が溶けると、歯が揺れ始め、いずれ抜けます。
ここまで来ると、早めに対処してあげないと残っている歯に負担がかかり、負のループが回り始めます。
まだ間に合います!歯医者に行こう!

歯周病とは?

細菌が産生する毒素によって、歯肉が腫れたり出血しやすくなったりします。
進行すると、歯肉が炎症によってどんどん腫れ、歯周ポケットが深くなります。
歯肉ポケットが深くなればなるほど、歯周病菌の繁殖しやすい酸素の少ない状態であるため、歯周病菌はさらに深く潜ります。

細菌と唾液に含まれるカルシウムやリン酸と結合して歯石が出来ると、細菌はポケットの奥深くへさらに進行します。

そして、歯周病菌は歯を支える歯槽骨(しそうこつ)を溶かし、歯肉が下がり、歯がグラグラし、歯が抜けます。

細菌の正体

P.g.菌(Porphyromonas gingivalis:ポルフィロモナス・ジンジバリス)
A.a.菌(Aggregatibacter actinomycetemcomitans:アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス)
P.i.菌(Prevotella intermedia:プレボテーラ・インターメディア)
T.f.菌(Tannerella forsythia:タンネレラ・フォーサイシア)
T.d.菌(Treponema denticola:トレポネーマ・デンティコラ)

このほかにも数十種類もの細菌が歯周病との関連を疑われ、他の多くの感染症のように1種類の細菌やウィルスの感染によって起こるものではありません。

出典:厚生労働省e-ヘルスネットより

歯周病は全身に影響が及びます

1. 狭心症・心筋梗塞・.脳梗塞
歯周病菌が、血管内でプラークを作ることがわかってきています。
血管中のプラークなどで脳の血管が詰まるのが脳梗塞、心臓で詰まるのが狭心症や心筋梗塞です。
歯周病の人は、そうでない人の2.8倍脳梗塞になりやすいと言われています。

2.糖尿病
歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。
糖尿病の人が歯周病になっている率は、そうでない人より多いという疫学調査が複数報告され、歯周病が糖尿病を悪化させるということも明らかになってきました。

3. 妊娠性歯肉炎/低体重児早産
エストロゲン(特定の歯周病原細菌の増殖を促す)プロゲステロン(炎症の元であるプロスタグランジンを刺激)の2つのホルモンは、妊娠後期には月経時の10~30倍になるといわれています。
そのため、妊娠中期から後期にかけて妊娠性歯肉炎が起こりやすくなります。
また、早産の確立は7倍にものぼり、喫煙やお酒、高齢出産などよりももっとリスクが高いのです。

4. 誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎の原因となるバイ菌は、歯周病菌が多いといわれています。

先生ワンポイントアドバイス

その1

歯周病を安定化させるのに数ヶ月かけて頑張っても、継続的にケアしないとすぐ後戻りしてしまいます。
極端な話、継続的にケアしていないと最初の頑張りがムダになってしまいます。

『継続的な口腔ケア』の重要性を伝える事に全力を尽くします!
本気です!

その2

歯を抜いた後、両隣の歯を削ってブリッジを入れることがあります。
しかし、歯周病で両隣の歯が揺れてしまっている場合、ブリッジは適応外となってしまいます。
入れ歯の場合もバネをかける歯が揺れてしまっていると、入れ歯の設計に影響を与えてしまいます。
歯周病は、治療の選択肢を狭めていきます!

歯周病の治療の流れ

1 . 診査・診断(レントゲン撮影)

2. プラークコントロール

3. スケーリング(歯石除去)とルートプレーニング

4 . 定期的なメンテナンス