歯の根の治療~根管治療(こんかんちりょう)

歯の根の治療、知り合いがムッチャ大変だったって言っていました。

苦労されている患者さんは多いですね。
唾液の中に細菌が多く含まれているため、歯の根の治療中に根管(こんかん:歯の根っこ)内への唾液侵入を防ぐラバーダムを出来るだけ使います。

先生、「ラバーダム」ってなんですか???

「ラバー」は「ゴム」、ゴムで口の中の唾液をせき止めるから「ダム」、合わせてラバーダムですね。
ラバーダムをした歯の根の治療は成績がいい・・・再発の確率が低くなります。
ガイドラインに沿った治療を心がけていきます。
アシスタントと僕が慣れちゃえば30秒くらいでかけれるんですよ、金具をパチッとつけてゴムを引くだけなので。
ゴムを1枚10円ですし。

もうひとつ「ニッケルチタンファイルを使う」とホームページに載ってたんですが、それってなんですか?

歯の根は、とても複雑な形をしています。
従来の治療器具は手でクルクル回していたんです。
「ニッケルチタンファイル」は、形状記憶のニッケルとチタンで出来ているので、歯医者さんで使うタービンにつけてクルクルクル~って回せるんです。
今まで根の治療が4~5回かかっていたのが、時間が短縮されます。
全員に適応ではないんですが、その方に応じて使います。

歯の根の治療は、先生が腰を曲げた姿勢が長くなるので腰が痛くなると聞いたことがありますが、腰痛くなりませんか?

ミラー(鏡)テクニックっていうのがあるんです!
ミラーを使うとすごく腰を曲げなくても大丈夫です。
目で直視しないとダメなこともありますけど、拡大鏡と鏡を見てやっているのでそんなに腰痛くなりませんので安心してください。

歯の根の治療って?

う蝕(うしょく:むし歯)が歯髄(しずい:歯の根っこ)に到達した場合や、治療済みの歯根の先に感染巣(かんせんそう:バイキンの膿)が生じた場合に「歯の根の治療」(根管治療:こんかんちりょう)を行います。
具体的には、歯の神経が入っていた根管(こんかん)の中を洗浄し、薬剤による消毒を繰り返し、最終的に充填剤を詰めるというものです。

歯髄疾患(しずいしっかん)、根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)の主な原因は、口腔細菌による感染であり、原因物質の除去・感染のコントロールが治癒へのカギとなります。
歯髄が入っている根管というスペースは、太さ・長さが様々で個人差があります。中には、網目状に広がっていたり、樋状根((といじょうこん:根管がCの形)になっていたりと治療の難易度が高い症例もあり、歯科医師・患者さんを悩ませています。

オアシス歯科の「歯の根の治療」の特徴3つ

1.正確な診断

治療前にパノラマX線写真、デンタルX線写真、必要に応じてCT検査を行い、根管の位置・形態などを分析し治療方法を立案します。

2.ラバーダムによる防湿

ラバーダム防湿法は、処置中の唾液の侵入防止、口唇・頬・舌などを広げることで術野を見やすくする、洗浄・消毒に用いられる薬剤からの生体保護、器具の誤嚥・誤飲防止などの効果があるとされています。
日本歯内療法学会、米国歯内療法学会、ヨーロッパ歯内療法学会のガイドラインで使用が推奨されており、根管治療に欠かせないものであります。
ところが、日本での使用状況は、日本歯内療法学会会員群25.4%、一般歯科医師群5.4%(2003年、吉川らによる報告)と少ない状況となります。
海外の一般歯科医師を対象とした報告では、アメリカ60%(2014年)、アイルランド40%と使用率が高いことが示されています。
当院では使用率100%を目指しています。(歯の状態によりどうしても不可能な場合があります。)

3.「ニッケルチタンファイル」による根管拡大

従来用いられているステンレスファイルに比べて、弾性・形状記憶に優れています。
柔らかさも兼ね備えているため、曲がり(湾曲)の強い根管にも対応する事が可能となります。
ステンレスファイルの場合は、手指にて回転運動を行い、根管拡大を行なっておりましたが、ニッケルチタンファイルの場合は、拡大装置にて回転運動を行うため、治療時間の短縮を図る事が出来ます。

先生ワンポイントアドバイス

ラバーダム防湿法の各国使用率はこれほどバラつきが!
アメリカ:60%
アイルランド:40%
日本:5.40%

※報告年数がバラバラなので、参考程度でお考え下さい。

当院では、可能な限り使用する予定です!