「裏方」なんてとんでもない!オアシス歯科には特別な専属クリーンスタッフ部隊がいます。
最近歯科医院にも増えてきた「クリーンスタッフ」というポジション、みなさんはお気づきでしょうか?
実は他の歯科医院も専属の「クリーンスタッフさん」がいる歯科医院は出てきています。しかし、だいたいのクリーンスタッフは朝と夕方・夜終わりだけ、目的としてはスタッフの作業軽減の為に院内清掃を行うスタッフ(クリーンスタッフ)を配属しています。
しかし!ここ、オアシス歯科は、ちょっと違います!
常に院内に待機し、治療が終わったとたんに院内インカム連絡で出動!そして、ユニットに駆けつけ、治療終了直後に治療現場周辺を完璧に清掃・滅菌してしまう、、、まるで警察の現場検証のような手際の良さで、、、汗
こういう歯科医院が日本国内に存在しますでしょうか?
今まではちょっと見たことがない”オアシス歯科ならでは”の専属クリーンスタッフ部隊の活躍をお届けいたします!
「裏方」なんてとんでもない!オアシス歯科のクリーンアップです!(野球とかけてみた、、汗)

知っていますか?歯医者さんで使う道具、どうキレイにしているか
先生、ずっと気になっているんですが、あの歯医者に行ったときに診察台のわきに置いてある水色の紙とビニールで包まれているあの道具、いったいどういう状態であの場に置かれているのでしょうか?



よくぞ聞いてくれました!
うちには「クリーンスタッフ」なる「プロフェッショナル」がいるんです。
(NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」風に、BGMはもちろんスガシカオ)
水色の紙とビニールで包まれたは治療器具の滅菌も、患者さんが診察室を出た後、F1のピットインさながらのチームプレイで(BGMはもちろんT-SQUAREの「TRUTH」)ユニットの椅子から口をゆすぐところまでピカピカにするんですよ!
実際、器具の消毒とユニットの清掃をしてくれる我らが「teamクリーンスタッフ」さん、どうぞ!(パチパチ)
目次
- 縁の下の力持ち「teamクリーンスタッフ」参上!
- 治療が終わったらすぐに参上!出動要請1回目「実況中継」
- クリーンスタッフの「守備範囲」
- 歯科医院で使う道具、すごい多いんです(汗)
- 大公開!歯医者さんの「青い紙とビニールに包まれたもの」どうやって消毒しているの
- 出動2回目実況中継
- 高圧蒸気滅菌器「オートクレーブ」の中で起きていることを深堀!
- 教えて先生!
- 取材後記
縁の下の力持ち「teamクリーンスタッフ」参上!

歯科ライターとして、ずっとインタビューしたかったんです!(嬉)
自分が患者さんとして来院した場合、クリーンスタッフさんがいたらいいなと思います?


思います。
今まで働いてきたところより徹底されているな、と思います。
ということは、ほかの歯医者さんでも働いてたのでしょうか?


はい、働いていました。
来た時も本当にビックリしました・・・広いしキレイにされてるし。

今日は診察時に置かれている「水色のパック」はどういうプロセスを経てああなっているのか、実況中継したいです!(鼻息荒い)
治療器具の消毒は、普通の歯科医院さんでは歯科衛生士さんや助手さんが「空いた時間でやる仕事」なんです。
でもオアシス歯科には専門のスタッフがいる!


はい!治療器具はもちろんのこと、型取りの後に石膏を注いだらその場ですぐシンクを洗います。(※1)
小姑みたいなんですけれど(笑)「いつもピカピカ」を心がけています。
(※1:粘土のようなもので歯型を取った後、「石膏模型」に起こすために石膏を練って注ぎます。普通の医院さんだとそのあとの片づけが滞りがちです・・・。)
石膏を練っている時点で「洗ってやるぞ~」って、ムラムラしています?(笑)


(笑)石膏はどんどん固まるので、洗ってキレイにしておかないと取りづらくなるのですぐやるようにします。
仕事柄、歯科医院さんのバックヤードを拝見することは結構あります。
お忙しいのは分かるのですが、口の中に入れるものなのでキレイな環境で扱ってほしいなと一患者としては感じます。

(と、話している間にも、治療の終わった部屋から「teamクリーンスタッフ」出動要請が!
階段を駆け上がります!BGMは「太陽にほえろ!」)
治療が終わったらすぐに参上!出動要請1回目「実況中継」
これを毎回やるんですか?


毎回やります。

ホースの所まで拭くんですね!


2人でやると早いので、ハイ終わりました!

1分掛かってない?!
うがいするところをきれいにしてくれてるの、すごい嬉しい!



ここはキレイにしておかないといけない・・・「血がついていないか?だ液が残っていないか?」などチェックポイントがあります。
最初は一人でやってたんですけれど、椅子を拭く人など役割分担をすると一瞬で終われば患者さんも早くご案内ができますよね。
最初は消毒室だけの仕事でしたが「私たちが歯医者の中で何を担ったら、スムースに診療が回るのかな?」と考えた時に、ユニットの片づけを私たちがやると助手さんが次の準備ができる!と考え、試行錯誤しながら今のような形になりました。
誰の発案なんですか?


院長先生から「どこまでやる?」と聞かれたので「院内のお掃除、クリーニングに徹します!」とお話ししました。
おお、プロフェッショナルですね!
掃除が早く終われば、他のスタッフさんも診療終了後すぐに帰れますよね?


診療終了後の掃除は、クリーンスタッフだけでなく、受付さん、保育士さん、助手さん、衛生士さん、先生もやってくれます。
時間内に終わることに全てをかけています。
すごい一体感!
そして「その日の汚れ、その日のうちに」ですね!

クリーンスタッフの「守備範囲」
- 器具消毒の一連の動き(どうやって消毒しているの?)
- ユニットの清掃
- ユニフォームの洗濯
- スタッフルームのお掃除
おまけ:こんなことも「口腔内写真撮る用カメラの消毒


衛生士さんが口腔内の写真を撮るときに使います。
患者さんがメンテナンスに来るたびに、記録を撮っています。
カメラの充電もします!(充電は大事)
歯科医院で使う道具、すごい多いんです(汗)


コレ、誰が作ったんですか?


「見える化」するために、歯科衛生士さんを中心にスタッフみんなで作ってくれました!
全部写真を撮って、分かりやすいように。
未経験者でも安心して働けるように工夫しています。
優しい・・・。(涙)

大公開!歯医者さんの「青い紙とビニールに包まれたもの」どうやって消毒しているの
1. 診療が終わった器具を「診察室」から「消毒室」に運びます

2. 洗いやすくするために「仕分け」します

3. 洗って汚れを落とします

4. 消毒液に「15分」つけるor超音波で洗浄

5.「滅菌パック」に入れます

6. ハンドピース(歯を削る機械:※2)は、専用の機械でオイルを通します!


なんでオイルを挿すんですか?


歯を削ると粉塵が出るので、それが中で詰まらないように、オイルを入れて清掃します。
※2ハンドピースの仕組みについて
7. 高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)にかけます

「オートクレーブ」って何ですか?


132度の高温で1時間弱、滅菌します!
器具によっては132度でやってはいけないものもあります。
ちなみに、オートクレーブの中も毎日掃除しています!
→オートクレーブの詳しい解説はこちら

オートクレーブです。
クレープじゃないですのでご注意!(笑)
出動2回目実況中継



抜歯など血液がついている場合もあるんですね。
そして、治療が終わってすぐに洗浄、消毒と進むと感染のリスクが減りますよね!持って来るや否や~as soon as~ってやつですね。(笑)
「治療が終わった流れで、すぐやる」というのがほかの歯科医院さんと圧倒的に違うところですね。
うがいするところをキレイにしていたのが素晴らしい。
自分が行っている歯医者さんで、あそこが一番気になっていたんです(汗)



血が飛んでることもありますからね。
この医院、抜歯が多くないですか?


そうですね、院長は口腔外科ですし、ほかにも口腔外科の先生がいるので。
先生は「口腔外科医が歯を抜くのは、息をするのと同じ」
と言ってましたからね。
ちなみに、この時計はどういうタイミングで見るのですか?



次の片づけのタイミング「あとどれくらいで片付けが来るかな」とみています。
クリーンスタッフ専用のタブレット端末で院内の予約状況&処置内容を把握しているので、効率良く動けています。
あと、消毒液につけた器具のチェックもこれでします。
水洗いするので腕時計だと難しいというのもあります。
血がついているものは洗い流して、念のため別のところに置いています。


バキュームの先、中がこんなになっているんですね。



はい、専用のブラシで洗います。
システム化されてる?




院長は「システム化」が好きなので。
結局、治療が終わって2分後から、滅菌するまでの一連の作業がスタートしてますよね。


どこの医院でもこれがスタンダードになってくれたら嬉しいですよね。
特別な機械を使っているわけではないけど、仕組み、ですよね。


どういう気持ちでやってます?


家族を連れてきたいと思えます、安全安心です。
実際に自分が滅菌をしているので、清潔なのは分かっているので間違いないです。
社会的意義が高いですよね。
(下記画像の「エアフロー」を洗っているのを見る)安心して「エアフロー」してもらえます!
それにしても「筒状のモノ」って掃除が大変ですね。(汗)
ジャーって流しておしまい、じゃないんですね(下記画像:注射のようなもので汚れを押し出している)
普通こんな場面、見れないですよね!
こんなに丁寧にやるんですね・・・心意気、教えてください!



自分の子供が来てもいいように「キレイにしてやろう」と思います。
特に「スピットン」とか。

スピットン??あ、これ(上記写真:口をゆすぐための受け皿)ですね!
自分が行っている歯医者さんで掃除しているのを見たことがない・・・というかアフターコロナ仕様の「全室個室」だからできるんですね。
パーテーションで仕切られているだけの歯医者さんだと、隣のユニットの「スピットン」を掃除していたら気になります。(汗)
今日取材して、医院さんの中でも「プロフェッショナル」として認められているとひしひしと感じました。
お互いにリスペクトしあってる?


認めてくださっていると感じますし、コミュニケーションもよく取れています。
安心してきてください!
自分が患者さんだったら、診察室に入ってきてキチンと整っていると「掃除してくれているな」と感じると思うんです。
安心して治療を受けてもらって、笑顔で帰ってほしいなと思います。
「一事が万事」ですよね。
娘の親知らず抜歯、院長に抜いてほしかったんですよ・・・。


先日、院長先生に抜歯してもらったんですが、全然痛くないし、何のストレスもなく抜いてくれました。
本当に痛くないんですね、「経験者は語る」ですね。


前は心拍数上がってドキドキしちゃって少し休んだこともあったんですが、そんなこと全然なく。
スタッフさんがそうだって言うなら、間違いないですね。


消毒もレベルが高いので、信頼して来ていただいていいと思います!!
高圧蒸気滅菌器「オートクレーブ」の中で起きていることを深堀!

1. いったん真空にする(「飽和蒸気」が複雑な形状の器具の内部までしっかりと浸透・滅菌できる)
↓
2. 高圧蒸気で中を充満させ、水の沸点を100℃以上にし、より高温の蒸気で滅菌を効率的に行う

より高温にするために内部の圧力を高める「圧力なべ」と同じ原理です!
調理や滅菌の時間を短くできます!

※この工程を「3回以上繰り返す」ものを「クラスBオートクレーブ」と呼ぶ
(クラスの詳しい説明は「教えて先生!」にあります)
教えて先生!
質問. 1
滅菌(めっきん)って実際どんな仕組みなんですか?


高圧蒸気滅菌法(こうあつじょうきめっきんほう)といって、熱エネルギーで微生物を殺滅(さつめつ)する方法です。
殺滅(さつめつ)?!某アニメのようですね!○○の刃、みたいな。


(笑)普通の空気の中での単なる熱での滅菌(乾熱滅菌)より、蒸気があるところだと熱でたんぱく質の変性が促がされ、非常に短時間で「無菌性保証水準(滅菌保証レベル)」に到達することができます。
質問. 2
オアシスにある滅菌機は「クラスB」とのことですが、一体どういうことなのでしょう?
ほかにもクラスがある??


高圧蒸気滅菌機には「3種類」あります。
減圧工程がある機種(クラスB)と、無い機種(クラスNクラスS)があり、滅菌の性能が異なります。
キュイーンと音のする「ハンドピース(タービン)」は複雑な構造をしているので、「減圧工程」がある「クラスB」で滅菌する必要があります。
ちなみに、134度で3分間滅菌することでSAL(滅菌保証レベル:Sterility Assurance Level)に達します。
SALは、無菌性保証の世界水準で微生物の生存確率を100万分の1以下にすることを「滅菌」と定義づけています。
出典:https://www.medline.co.jp/empower/sterilization
質問. 3
どうして歯の治療に使う道具は「紙とビニール」に包まれているの?


機器が滅菌された後、使われるまで「無菌」じゃないとダメですよね。
青い紙とビニールは内部と外界を「微生物的」に隔離します。
微生物的?!


ウイルスや細菌を隔離する、という意味です。
「クラスB」の滅菌機に、紙とビニールで包まれている状態にした「滅菌バッグ」を入れ滅菌します。
ウイルスや細菌を通さないものに入れてるのに、どうして滅菌できるんですか??


滅菌バッグの紙面には滅菌材(蒸気や酸化エチレンガスなど)は通しても、微生物は通さない程度の貫通孔(かんつうこう)があります。
この隙間を利用して内部の細菌やウイルスを殺滅するのです。
何かやっとスッキリしました!
これで安心して治療が受けられます!

参考:クインテッセンス出版株式会社「歯科医院の感染管理 常識非常識」
質問. 4
「滅菌(めっきん)」は、「殺菌(さっきん)」「除菌(じょきん)」とは違うのですか?


似ている言葉ですが、内容は下記のように全然違います。
滅菌:細菌やウイルスの完全に死滅させ、除去する
殺菌:病原性を持った菌やウイルスをある程度減らす
除菌:細菌数を減らす
取材後記
オアシス歯科のように専門のスタッフが診察室の清掃までしているところは見たことがありません。
また、歯科医院のバックヤードは「洗い物との戦い」です。
治療で使った器具はもちろん、そのほかにも型取りで使った印象材、印象材から石膏模型を起こすための石膏を入れる器も洗い物としてドシドシやってくる・・・流しをキレイに保つのは至難の業です。
患者サイドからすると、口の中に入れるものはなるべくキレイな環境で扱ってほしてほしいなと感じます。
それが実現されている素晴らしい医院さんです!ブラボー!