ブログで「『お口ポカン』になっていませんか?」という記事があったのですが、口が開いていて何がNGなのですか?
「口唇閉鎖不全症」の疑いがあるからです。
え!?病気なんですか?!
コウシンを閉じる力が・・・。
コウシン!?宇宙人と交信?!契約を更新?
いえいえ、違います。(笑)「口」と「唇」で「コウシン」なんです。
へえ、そうなんですか~。
分からないこと、ドンドン聞いてくださいね!
その「口唇」の閉鎖力が不全・・つまり低下して、口を開いた状態が続くと、食べる・話す・歯並びなどの口の機能・形態の発達を妨げることが分かっています。
歯並びだけじゃなく、食べるや話すまで関係するとは・・・うちの子、大丈夫でしょうか?
心配なら、ぜひ聞きに来てください!
実は2018年から保険診療内で「口唇閉鎖不全症(こうしんへいさふぜんしょう)」の指導・管理が出来るようになっていました。
え?!初耳です!
では、詳しくお話ししていきましょう。そういうことを伝えるのも、オアシス歯科の大事なミッションですからね。
2018年4月から、歯科医院で「口腔機能発達不全症」と診断されると、保険診療内で指導・管理が行えます。
2021年に新潟大学小児歯科学分野の齊藤一誠准教授らが全国規模の小児疫学調査を行い、小児期における「お口ポカン」が、日常の健康状態や生活習慣に関連している(https://urawa-haisha.dental/wp-content/uploads/2024/01/rs210217.pdf)ことを明らかにしました。
下記のグラフのように、「お口ポカン」の割合が、小学生の30〜40%に及んでいると言うことなのです!
論文を改変
Prevalence of an incompetent lip seal during growth periods throughout Japan: a large-scale, survey-based, cross-sectional study.Environ Health Prev Med 26, 11 (2021).
こんな症状に心当たりはありませんか?
- 口をポカンと開けている
- 食べ方がおかしい
- 食べるのに時間がかかる
- 食べるときの飲み込み方がおかしい(丸飲みしている)
- 食べるときに飲み込むことが出来ない
- 食事中の食べこぼし、クチャクチャ食べが気になる
- 発音がおかしい
- 口で呼吸している
- 指しゃぶり
- 下唇を巻き込むなどの口の癖がある
- テレビ見ているときに口を開けている
まさかのこんな影響が!(下記の「赤字部分」に注目!)
1お口が乾燥
⇒虫歯(唾液には自浄作用があります)
2ノドの乾燥
⇒扁桃肥大(へんとうひだい)
⇒風邪をひきやすくなる
3「口が閉じる力」と「ベロの圧力」のバランスが悪い
⇒唇乾燥/出っ歯/オトガイ緊張(下唇の下の筋肉がポコッとなっている)/前歯が噛み合わない
⇒集中力の低下/睡眠時無呼吸症候群
オアシス歯科にまずは相談!
①まずは相談、親御さんに簡単な問診票を記載して頂きます
②お子さんの顔貌(がんぼう:顔の様子)・口腔内・話し方などを総合的に診察します
③「りっぷるくん」を用いて、口唇閉鎖力を計測します。
④管理計画立案
⑤トレーニングを開始し、月1回ペースでフォローアップしていきます
オアシス歯科には、歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士、保育士と様々な職種のスタッフがおりますので、キッズの成長に合わせて色々な角度からサポートさせて頂きます。お気軽にご相談下さい。
Q&A
Q何でポカン口はダメなの?
A口が乾燥して虫歯になりやすくなる/口呼吸だと空気が鼻を経由しないため、ほこりやバイキンがそのままノドに到達してしまい、肺に湿気も温度も外気のままの空気が行く(鼻から吸った空気は加湿加温されて肺に届くのでガス交換効率が良い)/口の周りの筋肉のバランスが崩れ、話したり食べたりすることや歯並びなどに悪い影響を与えるからです!
Q保険適応とのことですが、おおよそいくらかかりますか?
A口腔機能発達不全症の対象年齢は、0歳から18歳未満までとなります。さいたま市だと「子供医療費」が中3までとなっているので、実質0円です。
高校生で、1ヶ月あたり300円〜600円(初診料・再診料を除く)くらいです。
Q実際どんな風に、管理栄養士さんがサポートしてくれるんですか?
A食べる環境(テレビ見ながら?)、姿勢、食べこぼし、食べる時間などを問診した上で、改善案をご説明します。
痩せすぎ、太り過ぎ、好き嫌いが多いキッズには、献立のご相談も可能です。(保険診療内でサポート)
保育士さんもいるので、離乳食などのサポートも可能です。
Q子供の睡眠時無呼吸症候群なんて、あり得るんですか?
A小児期でも睡眠時無呼吸症候群は、起こります。
アデノイド肥大などが原因のこともあるので、耳鼻科と協力しながら治療することもあります。
精神的に不安定だったり、集中力がなかったりなど症状は多岐に及びます。歯科で見つかることもあるので、気軽にご相談下さい。
Qアデノイド肥大は、昔で言う扁桃腺肥大ですか?
アデノイド肥大と扁桃肥大は、肥大の場所が違います。
また、扁桃腺肥大ではなく、扁桃肥大が正しい用語です。
出典:https://www.msdmanuals.com/ja-jp
Qどういう経緯で、ポカン口改善の保険診療をやろうと思ったのでしょうか?
Aオアシス歯科に来てくれるキッズを毎日診察していたら、まあまあ多い頻度で「お口ポカン」を目にしました。
「この子達をなんとかしたい!」という純粋な気持ちで、スタッフ皆で講習会・勉強会を行い、令和5年10月から導入することになりました。愛ですね。
Q実際診療をしていて、「ポカン口、多いな」という肌感覚はありますか?
Aこれは、歯科医療者側が気づいてあげられるか?ということも影響してきます。
肌感覚としては、多いですよ!
Qそもそもお父さんお母さんたちに「ポカン口はNGらしい」という認識があるのでしょうか?
A「お口ポカン」の治療の成功には、親御さんの協力が不可欠です。
いかに親御さんに認識してもらうかに、命を懸けて説明しています。
歯並びに影響するということは分かりやすいと思うのですが、アレルギー疾患、むし歯、歯肉炎とはなかなか結びつかないようです。
ライターの取材後記
「予防命!」という先生だけあって、この「お口ポカン」も開院してからの子供たちの様子を見て「見過ごせない!」という思いで導入されたと事。「愛ですね」というところが痺れました。
なんたって「ライフステージにあった予防医療により、豊かで健康な暮らしをクリエイトする」がパーパス(存在価値)です、まさに有言実行!患者さんにもどんどん伝わりますように!!